Skip to main content
雲雀(くもすずめ) Jataka 120
547のジャータカ
120

雲雀(くもすずめ) Jataka 120

Buddha24Ekanipāta
音声で聴く
昔々、マガダ国のラージャグリハ(王舎城)に、メーギヤという名の若き比丘(びく)がおりました。彼はまだ出家して間もなく、修行の経験も浅いながら、苦しみから解放されるべく、ひたすら仏道を歩むことを心に誓っておりました。 ある日、世尊(せそん)は、イシパタナ(鹿野苑)へと向かい、五比丘(ごびく)に法(ほう)を説くことをお望みになりました。そこで、世尊はアーナンダ(阿難)に命じて、元気で力のある比丘を探し、共に来るようにと仰せられました。 アーナンダは、その言葉を聞くと、元気な比丘を探し始めましたが、なかなか世尊の意にかなう者が見つかりませんでした。その時、アーナンダは、弱々しい姿のメーギヤ比丘を見かけました。しかし、世尊はアーナンダに、メーギヤ比丘を連れてくるようにと仰せになりました。アーナンダは不思議に思いましたが、世尊の仰せには背けず、メーギヤ比丘を連れて行きました。 世尊は、メーギヤ比丘に、「お前は私と共に来るがよい。だが、道すがら、お前が道に迷うようなことがあっても、決して私に頼ってはいけない」と告げられました。メーギヤ比丘は、世尊の言葉にただ頷くばかりでした。 世尊は、メーギヤ比丘と共に、ラージャグリハの街を出て、イシパタナへと向かわれました。道中、世尊はメーギヤ比丘に、世の中の無常(むじょう)や苦しみについて説かれましたが、メーギヤ比丘は、まだその教えを深く理解することができませんでした。彼は、世尊の説法に耳を傾けながらも、心はまだ俗世の煩悩(ぼんのう)に囚われておりました。 やがて、二人は荒野を歩いておりました。その時、メーギヤ比丘は、突然、世尊から離れて、一人で歩き始めました。彼は、世尊の教えを実践しようとするあまり、かえって一人になりたいという気持ちになったのです。 世尊は、メーギヤ比丘が一人で歩き去ったことに気づかれましたが、何も仰せられませんでした。メーギヤ比丘は、一人で歩き続けるうちに、次第に道に迷ってしまいました。彼は、空腹と喉の渇きに苦しみ、恐怖を感じ始めました。 その時、メーギヤ比丘は、自分の愚かさに気づきました。彼は、世尊の導きを無視し、自分の力だけで悟りを開こうとしたことが間違いであったと悟ったのです。彼は、世尊の元へと引き返そうとしましたが、もうどこへ行けばよいのか分かりませんでした。 絶望したメーギヤ比丘は、その場に座り込み、涙を流しました。その時、一羽の雲雀(くもすずめ)が、彼の頭上に舞い降りてきました。雲雀は、メーギヤ比丘の悲しみを見て、彼に語りかけました。 「比丘よ、なぜ悲しんでおるのか? 世尊は、お前を導こうとされている。お前の心には、まだ執着(しゅうじゃく)と傲慢(ごうまん)が残っておる。それらを捨て去らねば、悟りは開けぬ。」 雲雀の言葉を聞き、メーギヤ比丘は、さらに深く反省しました。彼は、雲雀に導かれるまま、世尊の元へと戻りました。世尊は、メーギヤ比丘の帰還を静かに見守っておられました。 メーギヤ比丘は、世尊の足元にひれ伏し、心からの懺悔(ざんげ)の言葉を述べました。世尊は、メーギヤ比丘を優しく抱き上げ、再び教えを説かれました。今度は、メーギヤ比丘の心は、世尊の言葉を素直に受け入れることができました。 彼は、世尊の教えに従い、ひたすら修行に励みました。そして、ついに煩悩を断ち切り、悟りを開くことができたのです。 このJatakaの教訓は、たとえ偉大な導きがあっても、自らの心に慢心や執着があっては、悟りを開くことはできないということです。また、真の導きに素直に耳を傾け、謙虚な心で精進することが、悟りへの道であることを示しています。

— In-Article Ad —

💡教訓

勇気、知恵、慈悲は、人生を送り、統治する上で重要な徳です。

修行した波羅蜜: 精進の徳、慈悲の徳、智慧の徳

— Ad Space (728x90) —

おすすめのジャータカ物語

マハーシンカラ・ジャータカ
257Tikanipāta

マハーシンカラ・ジャータカ

昔々、遠い過去のこと、菩薩がウェッサンドラ王子として転生されていた頃、ヒマラヤの森に住む動物たちは皆、平和に共存していました。しかし、すべての命が平和に生きられるわけではありません。時として、貪欲と嫉...

💡 知恵は力なり。 表面的な力で問題を解決しようとするのではなく、その根源を見極め、冷静かつ賢明に対処することの重要性。また、他者の苦しみや状況を理解し、共感することで、より良い解決策が見出せる。

水牛王の物語
207Dukanipāta

水牛王の物語

遠い昔、栄光に満ちたコーサラ国に、菩薩は強大な力を持つ野生の水牛として転生しました。その体は大きくたくましく、鋼鉄のように厚い皮膚を持ち、その目は威厳に満ちていました。彼は広大な森に住む水牛の群れのリ...

💡 誇張された効能を謳う偽りの言葉に騙されてはならず、他者に私たちの信仰や無知を利用させてはならない。

博食長者本生経 (はくしょくちょうじゃほんじょうきょう)
413Sattakanipāta

博食長者本生経 (はくしょくちょうじゃほんじょうきょう)

博食長者本生経 (はくしょくちょうじゃほんじょうきょう) 遠い昔、バラモン教が栄え、多くの人々が富と名声、そして悟りへの道を求めていた時代のこと。マガダ国の首都ラージャグリハに、博食長者(はくしょく...

💡 財産が多くても他者の苦しみに無関心であれば、悪い報いをもたらす。反省し、改心して功徳を積むことで、苦しみから解放される。

菩薩、忍辱の王となる
522Mahānipāta

菩薩、忍辱の王となる

遠い昔、マドゥラプラという豊穣の国がありました。その国は、ヴィチタヴィー王の慈悲深い統治の下、民は平和に暮らしていました。王は十種の王法を実践し、公正をもって国を治め、民一人ひとりの幸福を我が子のよう...

💡 慈悲の心は、あらゆる苦しみから人々を救う力となる。自己犠牲を厭わず、他者のために尽くすことは、真の幸福へと繋がる。

火の髪の王の物語(アッキササ・ジャータカ)
409Sattakanipāta

火の髪の王の物語(アッキササ・ジャータカ)

火の髪の王の物語(アッキササ・ジャータカ) 遠い昔、バラモン教が盛んだった時代、ガンジス川のほとりに広がる広大なマガダ国に、アッキササという名の偉大な王がいました。王は、その名が示すように、燃えるよ...

💡 揺るぎない信仰、深い知恵、そして功徳の積み重ねは、大きな困難や障害を乗り越える力となる。

ムシカ・ジャータカ:現れる善行
398Sattakanipāta

ムシカ・ジャータカ:現れる善行

かつて、仏教が栄えるマガダ国、世尊が最後の修行を積まれていた時代のこと。静かな農村に、人々の暮らしが自然と密接に結びついた、感動的な物語が生まれました。 ゆっくりと流れる川のほとりに位置する「クルヴ...

💡 貪欲、嫉妬、権力への執着は人間の心を曇らせることがあります。たとえ最も身近な人々であっても、欲望に支配されれば敵となる可能性があります。

— Multiplex Ad —